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去年の11月に完成したのに、アップするのをすっかり忘れていたシロモノです。
台詞で20のお題シリーズ4番目・閣下×始まり女主ミーティアのギャグなんだか甘いんだか良く分からない一品。
興味のある方は下のリンクからどぞ♪
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「・・・・・・どうやら私は、君を見くびっていたようだ」
ディンガル政庁・執務室にて。
目の前のチェス盤を見やりながら、ベルゼーヴァは一つ溜息を吐いた。
その表情には感心したような、それでいて諦めにも似た色が浮かんでいる。
彼とチェス盤を挟む形で、青色の髪の少女が向かい合って座っていた。
青年の言葉を受けて、誇らしげな笑みを浮かべてみせる。
「私をここまで追い詰めるとは、正直思ってもいなかった」
「ふふっ、アタシこれでもザギヴと結構いい勝負するのよ?甘く見てもらっちゃあ困るわ」
テーブルの上に置かれたチェス盤。
正に今、白のクイーンが黒のキングを刺した瞬間であった。
――チェックメイト、すなわち白が勝負を制したという事である。
二人の少しばかり疲れたような表情――この勝負が長期戦であったろう事は、容易に窺い知れる。
勝者は余裕の笑みを浮かべ、敗者は悔しげな様子で唇を噛む。
この勝負、どちらも自身の勝利を疑ってはいなかったようだ。
「・・・・・・あの賭けの事は、ちゃんと覚えるわよね?」
「負けた者が勝った者の言う事を一つ何でも聞く、という約束だったな」
うふふ、と青髪の少女――ミーティアが笑う。
彼女の笑みに釣られるように、ベルゼーヴァも乾いた笑い声を漏らす。
「っあああぁぁぁーーーッ!この勝負、ぜーーーったいにアタシが勝つと思ってたのにぃぃぃ!!!」
ヤケクソになって、敗者となったミーティアが大声を上げる。
逆に勝者ベルゼーヴァの表情は優越感に満ちたもので。
「一時はどうなる事かと思ったが、君もツメが甘かったな」
「ああっ、良い所まで追い詰めたのに・・・・・・!」
「駒の動かし方は悪くなかった。だが勝負の全局を見渡せてはいなかったようだな」
「まさかあそこでクイーンが動いてくるとは思わなかったわ・・・・・・!
あと一手あればアタシが勝てたのに!」
「君は目前の勝利にばかり目が行きすぎたのだ。油断は禁物、といった所か」
ベルゼーヴァの最もな言葉に、ミーティアは何も言い返せずテーブルに突っ伏した。
刺されてしまった黒のキングの駒を大事そうに撫でながら、力なく呟く。
「ああごめんなさいネメア様、守りきれなくて!クイーンのアタシだけがむざむざ生き残ってしまったわ・・・・・・!」
「・・・・・・駒に妙な名前を付けるな。それに君がクイーンとは、少々厚かましすぎはしないか?」
「うっさいわね。アタシはネメア様の将来の妻なのよ!クイーンが相応ってもんでしょ!」
「君がネメア様の妻だと?そちらの方が厚かましいな」
「ちょ、失礼な事言わないでくれる?」
ミーティアが子供っぽく口を尖らせてみせるが、ベルゼーヴァはお構い無しという表情だ。
「その話はとりあえず置いておこう。
この勝負、負けた者が勝った者の言う事を何でも聞く、という約束だったな」
「・・・・・・えーえーそうだったわね。言いだしっぺがアタシというのも、ちゃーんと覚えてるから安心して」
「フフ、そうだな・・・・・・それでは君に、何をしてもらうとしようか」
少し考える素振りを見せ、ふと何か思いついた様子で顔を上げる。
「では君には今日一日、私の秘書になってもらおうか」
「へ、秘書?そんな簡単なのでいいの!?」
「不満か?」
「いいいや全然?むしろ歓迎、秘書万歳!
あー良かった、もっと無理難題ふっかけられると思ってたから」
「君の言う『無理難題』とは一体?」
「人類革新の妨げになる竜王を葬れ!とか
あの壁のヒト・・・・・・シャロームだっけ?そいつに喧嘩売って来い!とか
単身で禁呪の一つでも解放して来い!とか・・・・・・
そんなレベルの難題言われるかとてっきり」
「君は私を何だと思っているんだ・・・・・・」
はぁ、と眉間に皺を寄せ、ベルゼーヴァは一つ溜息を吐いた。
「アンタにとってアタシって目の上のタンコブでしょ?
闇の神器は片っ端から持っていくし、ネメア様を巡っての邪魔なライバルだし・・・・・・他にも色々やらかしてるし」
「鬱陶しいと思う相手を、私が此処に招くと思うか?」
「あれ違うの?てっきりウザがられてるものだと」
「そもそも君を邪魔だと思うなら、とっくの昔に処分している」
「・・・・・・あらそれは凄い自信だこと。
でもアタシだって簡単にやられはしないわよ。あんま見くびらないでよね?」
「それもそうだな。君の底力は、先程の勝負で見せて貰ったからな・・・・・・」
楽しげな様子のベルゼーヴァに、少し戸惑った様子のミーティア。
普段あまり見せない笑顔とも取れる表情に、少女の顔が僅かながら赤く染まって見えたのは、果たして気の所為であったのか。
「何はともあれ、今日一日は私の秘書として働いてもらおう。
此処に積んである書類、今日中に全て印を押さなければならない・・・・・・君にそれを手伝ってもらおうか?」
「こ、これ全部に?丸一日は掛かるわよ絶対!」
「二人でやれば夜までには片付くだろう。しっかり付き合ってくれたまえ」
「よ、夜まで・・・・・・まぁいいわ、ガッツリお付き合いしますとも!」
「フッ、君の活躍に期待している」
青年が嬉しそうに笑ったように見えた。
労力を手に入れられたからか?
――それとも、少女と二人で時間を共有出来るからか?
微笑みの理由は知れない。
台詞で20のお題④
お題配布元:SNOW STORM
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=katze&id=1
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本当何なんだろうコレ(爆)
これを書く為にチェスのルールを勉強してきたのに、あまり生かされていない罠。
閣下のキャラがよく分かりません!こんな閣下×女主もアリですよね先生!(誰だ)
このサイト様のお題は本当に素敵なものばかりです♪
創作意欲がむくむくと沸いてきます。超オススメ☆